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革製品製造販売RAKUSYOU./楽尚

革製品製造販売RAKUSYOU./楽尚 インタビュー

今回は『革製品製造販売 RAKUSYOU./楽尚』の林尚生代表にお話を伺いました。
『ものづくり』への熱い想いを語っていただきました。

▼お仕事の内容と、商品の特徴をお聞かせ下さい

 


林尚生代表私達『楽尚』では、革小物に関する製造と販売を行っています。例えば、携帯ストラップやアクセサリー(ピアス・指輪・腕輪など)、キーケース、コインケース、お財布などです。
これら一つ一つを手づくりの形で丹念に仕上げています。

 

商品は当店で販売しているものもありますが、『Habu Box(ハブボックス)』さんというTシャツ屋さんが3店舗(恩納店・美浜店・那覇店)ありますのでそちらに卸していたり、首里城公園の一部のお店で『首里城バージョン』という形で販売させていただいております。

他には、沖縄県の物産公社さんを通して伊勢丹さんなどの百貨店や、沖縄物産展に参加させていただいて販売しています。

 

革小物製品はいろいろなお店で売っていると思いますが、当店ではこれに、沖縄の草木から自然の色を得る『草木染め(例えば、『琉球藍染め』『福木染め』)』や『紅型(びんがた)』を取り入れた商品を制作しています。革はニシキヘビや牛を使いながら、沖縄の良いところを取り入れた『ものづくり』を心がけています。

 

先ほども少し触れましたが、当店の一番の特徴は何と言ってもすべて『手づくり』。沖縄に限らずどこにでもあると思われるのは、他の国で安く量産し利益優先の考え方で販売している商品。確かにそういう方法もありますが、私達は良いモノをお客さんのもとへお届けしたいということで、利益は少なくても品質にこだわりを持ちながら商品と向かい合っています。

 

▼『革』との出会いは?

 


楽尚製品1自分は三重県出身ですが沖縄の大学で油絵を学びたいと思い、予備校時代からこっちに住み始めました。それで当時は絵を描いていたのですが、それは『大学に受かるための絵』だったんですね。やがて大学に入学し、いざ「好きな絵を描いていいよ!」と言われた時、何を描いたら良いのか分からなくなってしまったんです。どうしよう、自分は何が描きたいんだろう・・・。本当に困ってしまいました。

 

そんな感じで悶々と毎日を過ごしているうち、ある時『写真』との出会いがありましたから、自分の撮った写真と文章を組み合わせた『本』を自費出版しました。そしてそれを持って、バイクで日本全国を巡る旅に出たのです。その間、大学は休学しました。バイクであちこちをフラフラしながら路上で本を売って、自分はこれから何をしたら良いのかと考え続けました。

 

そして、アッという間に2年が過ぎ、こんなことをしていられるのも残り数ヶ月。この歳になって、何をフラフラしているのだろう・・・。そんなことを思いながら気持ちをリセットしようとしたその日に、事故に遭って死にそうになりました。それで私の旅は終わってしまいました。

 

実家の三重県で入院生活を送りながらリハビリする中、偶然観たテレビで、革小物に興味を持ったのが最初のきっかけです。テレビの中の若い人達が、こだわりを持って一生懸命創作した『作品』を目にした時、こんなに若いのに、こんなにも『すばらしいモノ』『かっこいいモノ』ができるんだ。自分もやってみたい!そんな風に気持ちが動くのを感じました。

 

幸か不幸か、私はリハビリ中の身で時間がありましたから、その合間にさっそく革を買って、独学で制作に打ち込みました。今までに経験のないことをやっているのだから、最初はどうやったら良いのかも分からず、苦労したのを覚えています。

 

しかし事故に遭ったことで親にも心配をかけていたから、退院後はちゃんと大学を卒業し、就職もしてきっちりしようと思っていました。だから大学へは復学をしましたが、ただ、『革小物づくり』の方はやめることができませんでした。ある日、ある授業内容がきっかけで、自分のやっている革小物にブランドみたいに名前を付けてみたら面白いかな・・・と思い始めました。その後の大学の授業は、一週間くらいそっちのけで夢中になって名前だけを考えていましたね。

 

楽尚製品展示そして、最終的には『楽尚』と命名しました。『尚』は自分の名前から取りましたが、他にも『大切にする』『尊ぶ』という意味を持っています。それに『楽』を付けて、『楽しいことを大切にする』という意味の『楽尚』。自分としては音の響きも好きだし、『楽尚の革小物』を手にしたお客さんには是非とも喜んでほしい・・・。そう思った瞬間、「自分が探していたものはこれだ! これがやりたかった! やっと見つけた!」という想いが込み上げ、心の底から嬉しかったのを覚えています。

 

その後は悩みに悩んだ挙句、『大学』と『楽尚』の両方を同時に進めていくのは性格的に無理と判断。大学の方はドロップアウトしました。そしてここから、本格的な『楽尚』が始まりました。

 

▼この仕事をしていて、良かったことを教えて下さい

 

自分が一生懸命つくったものを、「欲しい!」と言って買って下さる方がいらっしゃること自体、とても嬉しいことです。だからこれが、仕事をしていて一番良かったなと思うことです。

 

楽尚製品2自分は小さい頃から『モノをつくる』ことが好きでした。そして自分がつくったものに、価値を見出して下さった方からお金をいただけるという初めての経験が、先ほどお話した大学時代の自費出版の本なんです。この時の言葉で表しきれないほどの感激は、今も『楽尚』で続いています。お客さんが商品を買って下さる度に、当時と同じ気持ちがいつも湧き上がってくるんです。本当にありがたいです。

 

他には『楽尚』初期の頃のストラップを、ボロボロになりながら今でも使って下さっていたご夫婦が、最近になってご来店されました。このご夫婦は、新しいものをお買い求めになるつもりでした。でも、私は「修理させて下さい!」と言って、ご夫婦のストラップを直させていただいたのです。
そしてスタッフの皆には、「こんなになってまで使ってくれているお客さんもいるんだよ!」と、思わず見せてしまいました。『楽尚』の商品を選んでもらって、いつまでも愛用して下さっていることが分かった時、やっていて本当に良かったと思いましたね。

 

▼これからの抱負を聞かせて下さい

 

現在の『楽尚』で製造・販売している商品は、最初にも申し上げたように、ストラップやアクセサリーに代表される『小物類』なんです。それだからでしょうか、最近はお客様の方から「カバンは作ってないの?」というように、大型革製品に関するリクエストの声がよく上がってきます。これらは、私自身も前々から取り組みたいと思っていたテーマなので、そのようなお客さんの要望にも応えられるような商品づくりを実現させていきます。

 

楽尚製品展示2ただ自分自身としては、お客さんはもちろんのこと、スタッフや『楽尚』に縁のあるすべての人達に幸せになってもらいたい、喜んでもらいたいという想いがあります。だから、そのための『何か(革製品にこだわらないモノ)』を創り出していきたいという気持ちも持っています。

 

何だか漠然とした話になってしまいましたが、それが形を持ったモノでも良いし、あるいはシステムのようなものでも良いのです。時間はかかってしまうと思うけど、今後、少しずつそれを模索し続けていきたい。そしてゆくゆくは「これだ!」というものを見つけて実現させていきたいですね。

 

 

▼最後にメッセージをお願いします

 

実はようやく、今年中にはお店が移転できることに決まりました。11月頃を目標に計画を進めていますが、もしかしたらもう少し後になるかもしれません。

 

今度のお店は、今までの倍くらいの広さになります。自分は沖縄へ最初に来たときから首里に住んでいました。沖縄にはすばらしい場所がたくさんありますが、自分はなぜか首里に惹かれるものがありましたから、お店を開く時も「首里でやる!」と思っていました。ただ今まで、なかなか思うような物件が見つからず、ここ1~2年くらいずっと探していました。そんな中、今度の大家さんとは不思議な縁がありまして、ついにここに決めました。

 

新店舗の場所は、現在のお店から200mくらいしか離れていないので実は近くなんです。しかも、私は普段からよく通っている場所なんですね。今までずーっとあちこちを探し続けていたのに、いざ蓋を開けてみると、こんなに近くでよく知っている所。何だか不思議な感じです。新しい場所も、現在の場所と同様に少し入り組んだ所にありますから、ちょっとした隠れ家的な建物の造りと合わせて独特な雰囲気を醸し出しています。

 

楽尚入口お店だから、お客さんが来やすいような『国際通り』や『国道58号線沿い』の方が良いのでは・・・、という考え方もあるとは思います。しかし『楽尚』は手づくり商品のため、大量生産ができません。だから、まずは商品一つ一つを落ち着いた場所で、納得のいくように仕上げることが大切。なのでつくることを優先にし、加えてちょっと面白そうな場所という基準でここに決めました。

 

場所の詳細は、後ほど『むすびジネス』の『むすびトピックス』でもお知らせしますので、皆さん、『新店舗の楽尚』へもぜひ足を運んで下さい。

 

楽尚の革小物は一つ一つが手づくりのため、同じものがこの世に二つと存在しない希少性のある商品ばかりです。沖縄旅行の忘れられない思い出に添えたり、大切なあの人への心のこもった贈り物にも適していますので、手にとってご覧になられて下さい。

 

【取材後記】

お店に並べられている品物を見ていて思いました。これは、『製品』とか『商品』というくくりを越えてしまっている『作品』。もっと言えば、一つ一つが味わい深い『名作』です。
インタビューをさせていただいた林代表の『言葉』と、体全体よりにじみ出る『雰囲気』は、一つの道を極めんとする修験者のようにも見えました。そしてこの道の追求は、これから先もずっと続いていきます。

誰に教わることもなく、自らの力で創り上げた『新しい革の世界』。これはオリジナルの中のオリジナルと言えるでしょう。その中に、『人生の葛藤』『経験の積み重ねによる技術の習得』『ものづくりへの熱い想い』『職人としてのこだわり』『お客様への感謝の気持ち』などを感じ取ることが出来た時、私はそこに『楽尚の本質』を見た気がしました。

 

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