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株式会社 沖縄バヤリース

株式会社 沖縄バヤリース インタビュー
今回は株式会社 沖縄バヤリースの上間長恒代表取締役社長にお話を伺いました。
沖縄の特産を使った『ものづくり』にかける想いを伺ってきました。

 ▼業務内容についてお聞かせ下さい

 

上間長恒代表取締役社長当社は『バヤリースオレンジ』を主力において、『シークヮーサー』『グアバ』『マンゴー』などのトロピカル果汁飲料や、『さんぴん茶』『グアバ茶』といった茶飲料の製造・販売等を主な業務としています。 

 

 中でも『バヤリースオレンジ』につきましては、米国の会社とのフランチャイズ契約により、沖縄県内の限定販売になっています。本土においてもバヤリースオレンジは販売されていますが、これは当社の商品とは別のものです。ですから当社の『バヤリースオレンジ』は沖縄だけのものとなります。しかしそれ以外の商品は、全国でも販売しております。

 

▼御社の成り立ちをお聞かせ下さい

 

バヤリースオレンジ当社のはじまりは、1950年にさかのぼります。

 

当初は米国と香港による外資企業としてスタートし、当時10万人以上駐屯していた基地内の米兵の需要に応える形で、『バヤリースオレンジ』の製造・販売を行っていました。また、アメリカ文化の沖縄社会への浸透に伴い、民間に向けても販売を展開し、会社の経営は順調だった様です。

 

1972年といえば沖縄の『本土復帰』の年です。この時期、当社の前身である外資企業が「沖縄での事業は今後廃止し解散する。」と言い出しました。それは本土復帰に伴い、日本の大手メーカーの沖縄進出が考えられ、そうなると飲料業界の競争激化が予想できたことから、「自社におけるメリットがなくなる。」というのがその理由でした。

 

沖縄バヤリース当時、従業員は150名位いました。解雇によって皆仕事がなくなるわけだから大変な騒ぎです。その時、総務部長をやっていました安里(現会長)が従業員達に声をかけ、資金を集めて(外部からも出資者を募って)『株式会社 沖縄バヤリース』を立ち上げ、営業権を元の外資企業から買い取りました。そのような形でスタートし現在に至っています。

 

 

▼この仕事をしていて良かったことや大変なことを教えて下さい

 沖縄バヤリース看板

 

実は、私がこの業界に入ったのは4年くらい前のことです。それまでは主に金融業界に勤めておりました。社長に就任して、まだ3年です。 

それでこの仕事をしていて良かったと思うのは、当社の商品を愛用して下さっているお客様から、「いつも飲んでいますよ!」とか「とても美味しくて、健康にも役立っています。」というお言葉をもらえた時ですね。

 

大変だと思うことは、ただでさえ競争の激しい業界の中で様々な新商品が毎年洪水のように出てくるし、価格は年々下げ続けています。だから、経営環境が日に日に厳しくなってきているな、という実感を持っています。この部分をどのようにクリアしていくか、ということはなかなか難問ですね。 

 

大手との競合を考えた場合、我々のような中小企業は生産効率の面では勝てませんから、大手が真似できないような事業を展開していく必要があります。これが当社の主要課題であり、現在、全社を挙げて取り組んでいるところです。

 

▼今後の抱負をお聞かせ下さい

 

この質問は、前のコメントの続きでもありますね。大手との競争に勝ち残っていくために、私共は『沖縄の特産物を使った新商品づくり』を念頭に置きつつ、商品開発を行っています。

 

バリエーションも豊富その良い例として『農商工等連携事業』というのがあります。これは農林水産省と経済産業省が手を組んで推進しているプロジェクトで、「地方の農林漁業と商工業を結びつけ、新事業を形にしていこう! そしてそれを全国のマーケットに展開していくために支援します」という内容のものなのです。

 

このプロジェクトの第一回の認定発表が去年の9月にありまして、全国の数ある企業の中から65社が認定事業として選ばれました。当社もそのうちの1社でして、沖縄では第一号で認められました。これは非常に栄誉なことです。

 

当社が認められた事業内容は、沖縄のイメージにピッタリのアカバナー(=沖縄在来種のハイビスカス)を従来の観賞用のイメージから飛躍させ、『飲料』や『濃縮エキス及びパウダー』の開発に取り組み、食品産業の市場開拓を行っていくというものです。

 

南国ムードを醸し出すハイビスカス花茶アカバナーの花びらだけにこだわって、そこからエキスを抽出する技術やシステムを確立することに成功しましたので、農業部門のパートナーである『農事組合法人 沖縄長寿薬草生産組合』さんと連携して、この事業をこれからさらに拡大していきます。

 

アカバナーは鑑賞用としても楽しいですが、この事業が農業の活性化に繋がり、農業従事者の『雇用の増加』と『収入の向上』に貢献できれば素晴らしいことです。私共はそのための努力を精一杯していきたいと考えています。

 

当社も沖縄長寿薬草生産組合さんも両方が南城市にありますから、『農商工等連携事業』の認定を受けた時、南城市長に報告するため一緒に伺いました。南城市の市花がたまたまハイビスカスということもあり、「私達はハイビスカスを使った事業を推進していきますがそれと共に、観光客が訪れる所にハイビスカスを植えて、南城市を『ハイビスカスの里』にしよう」という考えを話しましたら、市長も大変喜ばれ、「市としても全面協力します。」という心強いお言葉を頂きました。 

 

沖縄をベースに全国展開を模索していく中、『沖縄の強みは何か』ということを考えた時、今回は『ハイビスカス』がそのテーマとなりましたが、今後は他のもの(例えば沖縄特有のドラゴンフルーツ)を使って、日本全国から世界へと販路を拡大させていきたいと思います。 
私の好きな言葉に『意志あるところに道あり』というのがあります。強い決意と強い忍耐を持ってこれからも一生懸命に取り組んで参ります。

 

【取材後記】

インタビュー中、私達取材スタッフは上間社長から、『ハイビスカス花茶』をいただきました。

この商品は、お話の中に出てきたアカバナーを使った事業により生み出されたものということで、とても興味を持ちました。350mlのペットボトルのラベルには、版画家である儀間比呂志さんの『赤花』という作品がデザインされています。ハイビスカスを頭に飾った少女が、素朴な南国ムードを醸し出しています。

飲み物の色は鮮やかな赤。
「これはアカバナーの花びらだけにこだわって抽出したもので、着色料は使っていません!」ということを聞き本当に驚きました。
人工ではない、自然の美しい色を目の前にして、一瞬黙って見入ってしまいました。

飲んでみると、ほんのりやわらかい甘さが口の中に広がります。観光に来た若い女性をターゲットに商品開発したそうです。だから『カロリーゼロ』。大手メーカーとの激しい競争の中で生まれた美味しい飲み物は、実は人にやさしい飲み物だったのですね。

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