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ガンガラーの谷

ガンガラーの谷 インタビュー
今回は『おきなわワールド・玉泉洞』を経営している、株式会社南都が昨年36年ぶりに公開しました『ガンガラーの谷』の高橋巧担当課長にお話を伺いました。『ガンガラーの谷』を愛する想いを、皆さんへお伝えします。

 

▼『ガンガラーの谷』とはどのような施設ですか?

 

ガンガラーの谷・入口ここ『ガンガラーの谷』は、道路の向かいにある洞窟『玉泉洞』よりも古い時代の洞窟(およそ数十万年前)の天井部分が崩落、それによってできた谷間の森林地帯や、一部崩れずに現在も洞窟として残っているエリアのことを言います。

 

この谷間一帯で繰り広げられてきた、古代から現代へ繋がる人と谷間と自然の関わりを感じていただくことが、ここで行われているツアーのテーマになります。

 

伝説の岩穴実は今から37年前、『玉泉洞』がオープンする時に、ここも公開の予定からすべての整備が終わっていました。ところが当時、谷の中を流れている雄樋(ゆうひ)川が上流からの畜舎排水の影響で汚染されてしまい、このエリアを閉鎖しました。そして去年2008年8月8日に36年ぶりに公開をすることとなり、まだオープンして7ヶ月というところです。

 

ツアーに参加していただくとお分かりになると思いますが、中にある歩道・階段などは37年前に造られたものが多く、時間の『積み重ね』を感じていただくことができると思います。

 

 

▼ツアーの見所を教えて下さい

 

ケイブカフェまずは、ツアーのスタート地点になっている『ケイブカフェ』。ここは、巨大な洞窟全体がカフェになっていまして、圧倒的な非日常空間の中、玉泉洞の地下水を使用した地ビールやコーヒー・紅茶をお楽しみいただけます。カフェだけでも利用できますので、日常をひと時忘れたい方に最適です(笑)。 

 

ツアーコース中には『イナグ洞』と『イキガ洞』という洞窟があります。イナグとは"女性"の意、イキガとは"男性"の意。それぞれの洞窟の中には女性と男性を象徴するような鍾乳石があります。

 

ここは数百年前から、沖縄の各地から人々が「命の誕生と子どもの健やかな成長」を願ってお祈りを捧げに来ている場所であり、その思いは現代まで続いています。

 

ウフシュガジュマルそしてお客様から一番人気があるのは、『大主(ウフシュ)ガジュマル』。ガジュマルが生えているところは、数十万年前の洞窟の天井が崩れた場所です。

このガジュマルは下から生えてきた木ではなく、元々は崖上にあった木から根っこが谷の下のほうへ垂れていき成長した木です。初めて見た人には珍しい光景として映ると思います。人間は、自分の理解の範疇を超えるモノを見たとき、頭の中の世界が広がるのかもしれませんね。

 

 

▼日本人のルーツを考えた時、この場所には歴史的意義があるそうですね

 

『ガンガラーの谷』からおよそ1キロ離れた所に、港川フィッシャーという場所があります。ここで日本人のルーツとも言われる古代人(港川人:1万8000年前の人類)の骨が見つかりました。しかし岩の裂け目から見つかったものですから、港川人は誤って裂け目に落ちたか、埋葬されたものではないかと言われています。とすると「港川人が住んでいた所はどこだ?」ということで、人類について研究している国立科学博物館さん、沖縄県立博物館さん等の皆さんが、『ガンガラーの谷』のツアーゴール地点の洞窟をその有力候補としてにらんで、一昨年から発掘作業を行っています。

 

未知なる物を求めてそして去年11月の発掘作業で、私達が予期せぬものがいろいろと出土しました。

 

例えば、2008年11月29日の新聞一面トップにも掲載されました「縄文時代の石棺墓」がそうです。数千年前の人が造った本物の石の棺です。この中には、頭から足の先まで完全な保存状態の人骨が納められていました。他にも沖縄の南部地域では初、沖縄最古6000年前の「爪形文土器」も出土しました。ここに6000年前、実際に人が住んでいたということが証明されました。

 

ただ、私達が本当に探しているのは、1万8000年前の「港川人」が住んでいた証拠品なのです。だからまだまだこれからも発掘を続けていくと思います。

そして今この時代に、毎年新たな事実が明らかになってきていますから、この場所は非常に意義深いと言えますね。これからも楽しみです。

 

▼この仕事をしていて良かったことを教えて下さい

 

高橋巧担当課長仕事ですから、大変なのは当たり前ですが、本当に楽しいことが多いです。実は私、入社して6年目になりますが、ここを担当する前は別の部署の課長をしていました。

ある日、社長から「先人から受け継いできたこの場所を、未来に向けて守っていくためにも、この場所の価値を、多くの方にお伝えしていく。その計画を立てるように。」という話をもらいました。私は、「是非、やらせて下さい!」と答え、プロジェクトチームを立ち上げ計画を練りました。

 

この場所の価値をどのようにお伝えするのか?
準備期間を経て2008年8月8日にいよいよオープンとなりました。

 

今は毎日多くのお客様をお迎えしツアーを行っていますが、参加されたお客様から頂く言葉、ひとつひとつが私たちの最高の幸せになっています。

 

今までを振り返ってみますと、一つのことをゼロの状態から始めて少しずつ創ってきましたから、それは非常に楽しくとても充実していました。私はこの仕事に携わることができて、本当に良かったと思っています。そして、会社にはとても感謝しています。

 

しかし、『ガンガラーの谷』はこれで完成したわけではありません。まだまだこれからも進化・発展を遂げていく場所なので、この先も楽しみながら仕事に取り組んでいきたいと思っています。

 

▼これからの抱負をお聞かせ下さい

 

様々なツアーを開催予定『ガンガラーの谷』としては、実は現在行っているツアーの他に、将来的には様々なツアーを開催していこうと思っています。

現在は、この谷間にある自然(地形、動植物等)をベースに、人類学、考古学、民俗学等をすべてまとめた形でお話しするツアーを実施しています。

 

しかし動物や植物の生態にしても、先人達の生活の足跡にしても、自然の美しさやすばらしさにしても、実は一つ一つのジャンルの奥がとても深く、質・量ともに充実したテーマばかりなのです。

 

だからその一つ一つを独立させ、例えば『昆虫、植物観察ツアー』『バードウォッチングツアー』『考古学・人類学のツアー』『アドベンチャーツアー』などそれぞれのジャンルを深く掘り下げていくことで、それぞれのお客様の興味や知的好奇心を刺激するような内容を考えています。

 

目標は大きく会社のお話しをしますと、私達『株式会社 南都』には創業当初からの使命というものがあります。

 

今から38年前、現在も当社の社長であり創業者である大城が会社を創ろうとした時、時代は沖縄が本土へ復帰しようとしていた時期でした。そのような社会背景の中、「沖縄が本土に対して優位性を発揮できるものは何か?」と考え、「沖縄にしかないモノ、コトをお伝えしていくこと。観光しかない。」 と考えたそうです。当時の大城は30代中頃、ちょうど今の私位の年齢だったと聞いています。

 

「この地に埋もれているすばらしい自然や様々な文化を掘り起こし、さらに磨きをかけることで、日本全国あるいは世界中からやって来るお客様に、その価値をお伝えする。」、これが私たち『株式会社 南都』の使命だと自覚し、今日までやってきました。

 

この使命の下、世界中の方々に実際に観て知って感じていただきながら、この場所をずっと守っていきたいと考えています。

 

【取材後記】

インタビュー終了後、我々取材スタッフは高橋担当課長の後にくっついて、『ガンガラーの谷』ツアーコースを案内していただきました。

ツアーのスタートとゴール地点である『ケイブカフェ』は、風変わりなカフェ。その名の通り洞窟の中にあるから昼間でも薄暗く、天井から下へ突き出た数々の鍾乳石はなかなかダイナミック。「これから、探検に行くぞ!」というワクワク感をさらに盛り上げてくれる所です。

『イナグ洞』『イキガ洞』の周辺は、説明が出来ない不思議な雰囲気の漂うエリアなのです。それぞれの中にある女性と男性を象徴するような鍾乳石は、偶然の産物とは思えないような自然界が創り上げた作品。(イナグ洞の中は入って観ることはできず、予め用意された写真を見せてもらった) これらを見せられた時、自分は『神』の存在を信じずにはいられなくなりました。

『大主(ウフシュ)ガジュマル』は、まるで宮崎アニメの世界に登場しそうな景観。一見、怖そうな雰囲気を漂わせつつ、しかし大地と自然のパワーをこの身に吸収できたような気持ちに・・・。

以上、インタビュー中に出てきた見所について、個人的(かつ非科学的な)感想をあえて述べさせていただきました。そして様々な好奇心がくすぐられる場所でもありました。皆さんもどうぞ!

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