「ラム酒を沖縄の地酒に育て上げたい!」という熱い想いを伺ってきました。
▼お仕事の内容と商品のご紹介をお願いします

当社は沖縄南大東島産のサトウキビを使って、ラム酒を造っているメーカーです。
グレイスラムで製造・販売している商品は、レッドラベルの『COR COR(コルコル)』、グリーンラベルの『COR COR AGRICOLE(コルコル アグリコール)』、それと新商品『COR COR25(コルコル25)』の3アイテムがメインです。
中でも、これから皆さんに広めていきたいと考えているのが、『COR COR25』です。
日本でラム酒と言えば、ショットバーなどで飲む『カクテルのベースの一つ』というイメージが強いようです。他にはお菓子を作る時にその風味を引き出したり、香りを付けたりなどの目的で使われています。沖縄では、アルコール度数が40度以上のラム酒となると、好んで飲まれる方はなかなかいません。度数が上がるにつれ飲みづらいと感じる方が増えてきますし、それにここは泡盛の本場ですからね。
そこで、新商品である25度のラム酒の製造・販売を始めました。度数を下げて飲みやすくすることでまず、ラム酒がサトウキビから出来るお酒だということを、沖縄県民の皆さんに広く知っていただきたかったのです。
そしてこの『COR COR25』には、泡盛や焼酎のように居酒屋さんなどで皆さんが『気軽』に飲めて、さらに『親しみ』を持ってもらえたら・・・、そんな想いを込めました。
▼会社を立ち上げた動機やきっかけを教えて下さい

お酒が大好きな私はある日、ラム酒がサトウキビから出来ているということを初めて知りました。そして、「沖縄ではサトウキビ作りが盛んなのに、それを使ったラム酒がなぜ造られていないのかな?」とも思いました。
泡盛はとてもすばらしいお酒なので私も大好きです。しかし原料はタイ米。「ラム酒なら県産のサトウキビで造れるのだから、これも『地酒』と呼べるよね! これならすごく沖縄らしいお酒になるのでは?」という想いが頭の中を駆け巡りました。
そして、当時勤めていた会社の親会社『沖縄電力株式会社』の社内ベンチャー制度に、自分のその『想い』を形にして応募しました。
そこから先は本当に大変な毎日。昼も夜もラム酒のことが頭から離れず、そのための準備に追われる日々。『飲む専門』で、お酒業界のことについては何も知らない素人だったからこそ、逆に飛び込んでいけたのかもしれません。今考えてみると、あの頃の私は怖いもの知らず・・・。
▼大変なことについて、もう少しお聞かせ下さい

それは、社内ベンチャー制度の審査通過後から本格的に始まりました。役員会に通すための企画書を作り直したり、初めてのプレゼンテーションにおいて皆の前でしどろもどろになってしまったり・・・。
中でも一番大変だったのは、会社もいよいよ設立できそうだという時に、お酒の免許申請の場面で「お酒を造る技術者はどうするの?」という話になり、その技術者探しに東奔西走したことですね。
泡盛メーカーさんの場合、造り手が『親から子へ』と代々受け継がれていくので、引っこ抜いてくることは難しい。そこで、県外の専門学校や大学へ行って卒業予定者を採用しようと考えましたが、工場の運営面においてまだその受け入れ態勢がしっかり整っていない。そんなこんなで苦戦を強いられもうダメかと思った時に、現在の工場長と巡り会いました。熱くお願いをし、「自分で良ければやります!」という返事がもらえた時には本当に嬉しかった!
他にも、お酒の免許をもらうために越えないといけないハードルがいくつかあって、例えば「売り先はあるんですか?」というのが、税務署さんから出された宿題でした。あちら側としては、泡盛メーカーだけで大小47社もあるから、できればそれを統合して5つくらいにしたいらしいのです。安定した税収入確保のため大きな会社を残し、小さい所はまとめてしまいたいと考えていた矢先、新規で「免許を下さい!」という所(私達)が現れたものですから、「あなた方は酒造業界の現状をご存知なのですか?」という話になるのです。
でも私達も負けてはいません!「これは南大東島の活性化のために・・・。」という趣旨を、村長まで連れて行って税務署へお話に伺いました。そして売り先確保のためのお店の署名を集めるために、一軒一軒頭を下げて営業に回りました。まだ商品も出来ていないのに、「売らせて下さい! 署名お願いします!」なんておかしな話ですが、とにかく頑張りました。でも後でよく考えてみると、「これは、良い前宣伝になるんだ!」ということに気付きました。
そうしているうちに税務署さんも、「なるほど、熱意は伝わりました。それにサトウキビを使うことで島の貢献に繋がるのなら、これはすばらしい!」ということで、やっと免許をいただけることになりました。
▼グレイスラムさんの商品の特徴は?

私達のラム酒は『無添加無着色』。飲んだ感じもスッキリ&スマート。これが蒸留したてのラム酒本来の風味なのです。日本に渡って来る一般のラム酒は、蒸留後に甘みや色を付け加えるので、「ラム酒って甘くてオシャレね!」というイメージが出来上がるのです。
でもそれは、より日本人好みに飲みやすくするため、後から手が加えられたものなのです。普段、有名なラム酒を愛飲されている方が、当社のラム酒を飲むと、「えっ!何これ? ラム酒?」とつい言ってしまうほど大きな違いがあります。
グレイスラムが無添加無着色のラム酒を造ろうと思ったのには、いくつかの理由があります。中でも大きなきっかけは、ある洋菓子メーカーのパテシエさんとの出会いでした。
会社立ち上げ前に、お菓子の中にラム酒がどのくらい使われているのかリサーチをしていたところ、そのパテシエさんから「今使っているラム酒はもうやめたい。どうも色と香りが気になって・・・。」と言われました。それでラム酒の製法を調べていくうちに、メーカーによっては色・香り・味などが後付けされていることが分かったのです。
彼が言っていた『気になる色と香り』というのが、この添加物のことなのだということに気付いてからは、私達が造るべきラム酒の方向性が見えてきました。それが『無添加無着色』。さらに、『食の安全』ということに世間が注目してきたことで、それが無添加無着色を目指す私達の追い風となりました。
▼これからの抱負をお聞かせ下さい

私達の事業基盤である『ラム酒』を、泡盛と同じように沖縄のお酒として世間に広く認知させること。それが目の前の仕事としてやりたいことですし、またやらなければならないことだと思っています。
沖縄での泡盛以外のもう一つの『地酒』として確立させることができたら、次は世界に向けて販売を展開していきます。ラム酒は元々、世界中で飲まれているお酒ですからね。メイド・イン・ジャパンのラム酒。しかもクオリティーの高いお酒。それは添加物を加えず、素材を活かしたラム酒ということで世界を目指します。
それと私達は、南大東島の自然や人々のご協力があってこの仕事をやらせていただいていますから、少しでも早く島に恩返しがしたいと思っています。特に、島の経済が活性化していくための努力をしていきたいですね。
例えばラム酒を造りたい人のための『セミナーハウス』や『体験ツアー』を開催して、全国から研修にやって来る人達の力になりたいです。
これが実現すれば、観光客以外でも南大東島を訪れる人の数が増え、島全体の経済も発展していきます。そして研修に集まった方々には、ここでラム酒の製造技術を身に付けた後、地元に戻ってその力を発揮していただく・・・。そのようなことができる酒造所にしていきたい。

今挙げたことは、10年先かあるいは20年先になるかもしれません。
ですがラム酒をメジャーにしていくことで、このようなビジネスも成立しますから、ぜひとも実現させたい夢です。
とても頼りになるスタッフの皆と一緒に、この仕事を楽しみながら頑張っていきます!
取材を終え、この記事をまとめている時に改めて感じたことは、いただいたコメントの質も量もズシリとした内容だったのだなあ、ということ。それだけに、この『熱い想い』をどこまで上手くまとめきれるのか、少々不安な部分もありましたが頑張りました。(金城代表取締役、記事の中身はいかがでしたか? 『想い』は込められていましたか?)
それと、持ち前の明るさ・元気・行動力・ポジティブな面が『グレイスラム』のエネルギー源になっているように思えて、これからが本当に楽しみな会社だと感じました。南大東島産のサトウキビから造るラム酒が、沖縄の地酒である泡盛と双璧を成し、そして世界へ羽ばたいていく姿を想像してみると、とても誇らしい気持ちになります。
『COR COR』シリーズ、注目のお酒です!



株式会社グレイスラム














