絵と自然に囲まれたお店で、ゆったり過ごしながら取材をしてきました。
▼『CUBE cafe & gallery』さんの特徴をお聞かせ下さい
当店はギャラリーをメインとしたカフェになっています。様々な画家や写真家の方々の作品を、期間を設けて店内で展示しています。来て下さったお客様には、絵画や写真を楽しんでいただくためにこのお店を作りました。
ですからテーブルや椅子も、作品の鑑賞を第一に考えた配置にしています。そして飲食は、そのついでにという感覚でご利用いただいております。
当初、周囲の方からは「このようなスタイルのお店は、なかなか難しいのではないか・・・」というお声をたくさんいただきました。そう思われるのは無理もないことだと思います。沖縄には『CUBE cafe & gallery』のようなスタイルのお店はどこにも見当たりませんから。でも、オープンして3年目に入りました。そして最近やっと、お店のスタイルが周囲に少しずつ浸透してきたように感じます。
▼お店には岩本さん自身の絵も展示されていますね
私は元々、東京に住んでいました。絵については、学校に通って勉強していましたし、向こうではデザイン関係の会社にも勤めていました。
自分の好きな画家が『自然との共存』をテーマに絵を描いているので、私もそれにかなりの影響を受けました。さらに絵の学校では児童文学なども勉強しましたので、絵本に出てくるような雰囲気を大切にしています。
小さな子供たちが認識できる形は限られています。そのために単純でシンプルなスタイルの絵をメインに製作しています。
店内ではそういった私の作品も常設展示しています。
▼店舗の内装や外装は手づくりだそうですね
この建物は、少し前まで叔父が倉庫代わりに使っていました。その叔父がある日、「自由に使っていいよ!」と私に声をかけてくれましたから、昔からやりたいと思っていたお店のスタイルへと改装していきました。
『すべて自分たちの手で造り上げる』を合言葉に、例えば外のテラスと高台の設置・植樹・店内テーブルや椅子の製作等々、周囲の方の力も借りながら作業を少しずつ進めていきました。
庭の緑も最初は少なく寂しい感じでしたが、月日と共に成長し今では豊かに茂っています。
お店の中も外も、オープン当初の頃と比べると雰囲気がまったく違います。だからお客さんも来店されるたびに、「雰囲気がどんどん変わっていくね。」とおっしゃられます。
▼沖縄にやって来て良かったことは何ですか?
何といっても自然に囲まれているこの感じが好きです。東京の新宿にいた頃は緑がほとんどなくて、それに土に触る機会もありませんでした。
沖縄は時間もゆったりと流れているような気がしますね。来て下さるお客さんもそういうタイプの方が多いですから、一緒になってのんびりと過ごしています。それにネコやアヒルなどと一緒に暮らしながら、たまに好きな絵を描いたりしています。
このような時間が自分にとってはかけがえのないものなのです。ゆったりとした自然や時間を手に入れられたことが、一番良かったことですね。
▼これからの抱負を教えて下さい
祖父からは、「自分が頑張って儲けるだけではなく、儲かったら他の人にも還元するくらいの人になりなさい。」と常々言われています。それに沖縄は、人間同士の繋がりを特に大切にする土地柄です。
だから私も頑張って、ゆくゆくは定期的なイベントとして、地域の方々に集まっていただいて無料の食事会や催し物などを開いていきたいです。それに、特に小さな子供たちには絵などを教え、それが10年後あるいは20年後の糸満市の文化の向上へと繋げていけたなら、とてもすばらしいことだと思っています。
そんな風に時を過ごしていく中で自分自身も一緒に楽しんでいけたなら、きっとこのお店は長く続いていくのだと思います。
飲食をしながらおしゃべりをし、そして様々なアーティストの絵画や写真を楽しめるお店。しかしそれだけではありませんよ! 実は映画の上映会や様々なワークショップ、それにお笑い芸人さん達のライブまで開催していますから『何でもあり』なのです。岩本さんいわく、「このお店は、何か一つのジャンルでくくってしまわないところが特徴だと言えます。それを皆さんにはご理解いただきながら利用してほしいです。」というコメントをいただきました。
インタビュー後に案内していただいた敷地内の高台からは、本島南東部の海原も広がって見えます。天気の良い日にはケラマ諸島が眺められるとのこと。何てすばらしい! お酒もゆんたく(沖縄方言:おしゃべり)も盛り上がり、ついつい長居してしまうのだろうという感想を持ちつつ取材を終えました。



CUBE cafe & gallery(キューブ カフェ&ギャラリー)














