美味しいお茶と、ゆったりした時間と、ためになるお話をいただいてきました。
▼『茶房 一葉』をつくられた想いをお聞かせ下さい
多くの方に、もっともっと「お茶に慣れ親しんでほしい」との想いから、このような茶房をつくりました。当店が扱っている商品は、日本茶をメインに中国茶・紅茶などがあります。様々なバリエーションを持っていると、お茶選びをする時さらに豊かなものになるのではないか、ということでご用意しております。
お茶は、『飲む』以外にも『淹れる』という所作を楽しむことが出来ます。ゆっくりお茶を淹れることで、ゆったりとした雰囲気をその場につくり上げることができますから、そういったところにもリラックス効果はあるのです。忙しい毎日を送られている方には特に、たとえほんのひと時であってもホッとする時間をつくっていただきたいですね。そんな想いも込めています。
日本茶について一般的には、『とても熱~いお湯(沸騰に近い状態)で入れる』というイメージがあるのではないでしょうか。しかし美味しいお茶は、お湯の温度を下げて(60℃~80℃)から入れるものなのです。なぜなら熱すぎると渋みが出てしまい、お茶本来の旨み(甘み)が味わえなくなるからです。ただし、適温はお茶の種類によっても変わってきます。例えば沖縄はさんぴん茶の土地柄です。さんぴん茶なら90~100℃くらいで入れてもサラッと美味しく飲めるのが特徴で、多少渋みがあっても沖縄の脂っぽい料理にもよく合います。初めて中国より伝わった時代から、600年経った今日まで愛され飲み続けられているのは、このような点にあるのでしょうね。お茶にはそれぞれに適した美味しい飲み方があります。そのようなことも、皆さんにお伝えしていきたいのです。
▼お勧めの日本茶を教えて下さい
日本茶の中でも一番のお勧めは『玉露』です。玉露は緑茶の中でも最高級で、わずかな量を茶碗に入れて飲むものです。これは、『エキスを飲む』と言われるくらいほんの少しいただくものですが、一度味わえばその美味しさにきっと満足されることでしょう。
先ほども申し上げた通り、お湯の温度を少しずつ下げて(別の容器に移しかえながら)60℃~80℃くらいになったら、急須に注いで3分ほど待ちます。ここでお茶のエキスがたっぷりとお湯に溶けこみますからそれをお茶碗でいただきます。
口に含んだ後すぐに飲み込むのではなく、少しの間だけ口の中で転がすようにして味わって下さい。『甘み』やコンブのような『旨み』が広がっていきます。
玉露の特徴としては、飲むたびに味が変わっていくということも付け加えておきましょう。最初の1杯目は『甘み』や『旨み』が強く、それが2杯目以降、甘みからわずかな渋みの煎茶のような味に変わっていきます。そして最後はお茶柄を食べます。いわゆる『おひたし』のような状態になっていますからお醤油をかけて食べると非常に美味です。
▼お仕事をされていて良かったことや大変なことをお聞かせ下さい
大変なことと言いますか、特に気を付けている点をお話しますと、それはお茶の『保存』です。
湿気・空気・温度・光を絶てば長期保存は可能となります。しかしお茶によって賞味期限は異なってきますから、その部分に神経を使います。それに、中には保存期間中に少しずつ発酵していくものもあります。そうなってからの方が美味しいものはしばらく置いておきます。
ひと口にお茶と言っても個性がありますから、それらを尊重しながらの保存には細心の注意が必要です。さらに、一つ一つのお茶が他のお茶の香りを嫌いますから、においが移らないように気を付けなければなりません。
良かったことと言えば、第一に自分の趣味が活かせたことです。以前は友人・知人を招いたり、あるいは招かれたりしながら互いに趣味の交流を図っていました。ところが次第に、「いつでもお茶を飲みに来られるような場所がほしい!」との声が強くなっていきましたので、『茶房 一葉』をつくりました。趣味が高じて、皆さんに喜んでいただける場所を設けられたことはとても嬉しいです。それに私は、『一期一会』という言葉が大好きで、国内外を問わず知り合いの輪がどんどん広がっています。このすばらしい出会いは、お茶をやっていたからこそだと思っています。これからもずっと大切にしていきたいですね。
▼『給茶スポット』についてお聞かせ下さい
『全茶連(全国茶商工業協同組合連合会)』と『象印マホービン』がコンビを組んで、一般の方に対し環境保護の呼びかけと、お茶のすばらしさを再認識してもらうために全国展開しているプロジェクトのことです。自分のボトル(水筒)を持って外へ出かけても途中で全部飲み終わってしまうから結局、自販機等で飲み物を買ってその容器を外出先で捨てることに…。こんな体験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
『給茶スポット』とは、空になったマイボトルに割安価格で給茶販売する茶販売店やカフェのこと。缶やペットボトルなどの使い捨て(ゴミ)を減らせるだけでなく、お茶の専門店で入れた本格的な美味しいお茶をそのままお持ち帰りできるというメリットがあります。
このようなお店は、東京や横浜・神戸・静岡・福岡・鹿児島など都会や茶産地を中心に全国に増えていっています。沖縄ではお茶を売っているお店はありますが、給茶スポットとしてプロジェクトに参加している所は当店しかございません。今まで給茶スポットをご存知にならなかった方も、この機会にぜひお試し下さい。当店では『日本茶』以外にも、沖縄らしく『さんぴん茶』も給茶しております。
▼今後の抱負と、皆さんへメッセージをお願いします
団塊の世代の方々が、たくさん退職される時代となりました。
今まで一生懸命頑張ってこられた分、これからは心からリラックスできるような場所が必要なのだと強く感じています。『茶房 一葉』が、この年代の方々にとっての心のオアシスになれたら良いなと思っています。
当店は畑の中に建っていますから、静かでゆっくりのんびりお茶を楽しんでいただけると思います。
それに沖縄へ旅行で来られた方々も、観光の合間のひと休みにお立ち寄り下さるととても嬉しいです。沖縄の美しい自然と美味しいお茶で、体の外側と内側の両方からリフレッシュして下さい。
私達取材スタッフはインタビューを行いながら、その合間に上原店主が入れて下さったお茶をいただきました。飲んだのは『玉露』と『鉄観音茶』。
特に強烈な印象として今も残っているのは、玉露の1杯目の最初のひと口。自分が今までに体験したことのないお茶の味と食感(?)が衝撃的でした。口の中に入れたとたんに広がるほのかな『甘み』と『とろみ』。これを読んで「とろみ?」と思った方は『茶房 一葉』さんにぜひ足を運んでみて下さい。私の言っている意味がきっと理解していただけると思います。
そして飲み終わったあとホッと一息ついて、「美味しい…」と言ってしまいます。私は何だか仕事で伺ったような気がしませんでした。 お茶を楽しみながらゆったりとした2時間を過ごしてしまったのです。



茶房 一葉














