
派遣事業を通して、沖縄の『仕事』事情について語っていただきました。
▼業務内容をお聞かせ下さい
事業所は立ち上げてからおかげさまで1年が経ちました。去年の11月1日にスタートし、当初は小禄の産業支援センターで設立させていただきました。
今年4月から現在の場所(浦添市産業振興センター)に移ってきています。
業務内容は『一般労働者派遣事業』と『有料職業紹介事業』の2つです。
『一般労働者派遣』とは、求職中の一般の方にまずは名前を登録していただき、その後は様々な企業へその方を派遣していく事業です。
そして『有料職業紹介』とは、優秀な人材を個々の企業の求めに応じて紹介していく事業のことです。
両者の違いを話すと、『一般労働者派遣』は当社の社員という身分(ゆえに給料は当社が支払う)を維持しつつ、しかし派遣先での仕事内容や命令系統は、先方の企業にすべてお任せします。
『有料職業紹介』の方は、優秀な人材をその企業の正社員として紹介するので、その企業からは紹介手数料をいただきます。この中にはヘッドハンティング等も含まれます。
沖縄では現在、人材派遣会社はおよそ160社あります。そのような中に、私一人で飛び込んで生き残っていくためには、今まで培ってきた建設業界のネットワークを基にして、建築士・建設等関連の技師・電気関連の技師などを応援していくことが一番望ましいと考えました。
しかし、建設業界だけでは好況・不況の波が激しいので、そのような波に影響されず常にニーズのある職種は何かと考えて、医療(潜在看護師の派遣)の世界にも携わっていこうと決めた次第です。このように『建設』と『医療』の二つの分野を派遣業務として扱っています。
▼仕事をしていて大変なことはありますか
建築技術者や看護師など特別な技術や資格を必要とする職種に関しては、沖縄という狭く限られた地域であっても、そのニーズはたくさんあるんですよ。
しかし実際には、これらの技術や資格を使って働きたいと希望する人達の数が非常に少ない。これは一年間やってみて分かったことです。
特に潜在看護師(結婚や出産を機に一旦は看護師を辞めたが、子育てが落ち着き、再び仕事復帰を考えている人)の派遣事業については、沖縄の県民所得の低さを考えた場合、夫婦の共働きが当たり前になっている今日だから皆さんが心より賛同してくれます。
そしてこれなら、自分としても社会に役立つ仕事だと思っていました。結婚や子育てが理由で仕事を辞めていった人は多い。
しかし現実には、県内のどこへ行っても潜在看護師に行き当たらないのです。
理由としてはいろいろ考えられるのですが、それにしても生活していかなければいけない現実を考えた時、なぜなのかと不思議でしかたありません。
建築技術者の派遣に関しても、最近の建設業界は以前に比べ少し元気がなくなってきている部分もあるから、事業を縮小したりあるいは止めてしまったりする企業が出てきました。
中には大勢の社員を吐き出してしまう企業もあります。すると、そのような企業から去った人達は、同じ建設業界の就職希望をしなくなってしまうのです。
しかし一方では、しっかりした技術や資格を持った人を欲しいと願う企業もかなり多い。
このように、人材を欲しいと考えている病院や建設会社の数と、これらの業界に職を求めてくる人達の数との間には、大きな不均衡が生じているのです。
ですからこの問題を解決していくことが課題であり、同時に大変な部分でもあります。
▼仕事をしていて良かったことを聞かせて下さい
当社のホームページの中にある、『就職成功者の声』というコンテンツをご覧になられると、理解していただけると思います。
ここに体験談を寄せてくださった4人の方々は、皆さん沖縄で仕事をするために一生懸命就職先を探していた人ばかりです。
世の中というのは一生懸命にやっていると、ある時、フッと明るい光が差し込んでくるものなんですね。
ここに登場していただいたようなすばらしい方々を派遣するための企業や仕事が見つかって、ご本人もとても喜んでいる姿を見ることができた瞬間がとても嬉しいです。
この時、自分は社会に役立っているんだなと思えることができます。他にも、当社からある設計事務所へ派遣した社員が、「今度給料が出たら、一緒に酒を飲みましょう!」と言ってくれました。この言葉は本当に嬉しかった。
かなりの技術を持った人材だったから、仕事に就いたとたん輝きだしましてね、立派な設計士になってくれていました。このような時、この仕事をやっていて良かったなと思いました。
▼好きな言葉を教えて下さい
一つは四字熟語で『明鏡止水』。 澄みきって落ち着いた心境のたとえだが、このような状態でありたいといつも思っています。
もう一つは沖縄民謡『汗水節(あしみじぶし)』の1番と4番の歌詞ですね。
一、汗水ゆ流し働ちゅる人ぬ心嬉しさや他所の知ゆみ ユイヤサッサ 他所ぬ知ゆみ シュラサシュラ 働かな 【汗水を流して働いている人が心嬉しいのはよその人が知るだろうか?(恋人よ働きたいな)】
四、心若々とぅ朝夕働きば五六十になてぃん二十さらみ ユイヤサッサ 二十さらみ 【心若々と朝夕働くなら必ず五、六十になっても二十であろう】
『汗水節』は「汗を流して頑張って働こう!そこから出てくる想いはとても尊い」といったような趣旨の歌です。
世の中には、働く能力が十分にありながら仕事に就かない人もかなりいます。皆さん一緒に働きましょう! 仕事をする中に『悦び』は存在します。
▼これからの抱負を聞かせて下さい

前にも言いましたが、潜在看護師や建築技術者など資格や技術を必要とする仕事は、沖縄においてもたいへんなニーズがあるのに、そこへ就職を希望する人はとても少ない。
そこで私は県外のほうへも目を向けて、今後、沖縄への移住を考えている人や、現在は県外に住んでいるウチナーンチュで将来的にはこっちへ帰ってこようと思っている人達へ仕事の紹介をしていこうと思っています。
そのためには、自社のホームページを様々なサイトにリンクさせてもらうことで皆さんに取り上げていただき、沖縄には『UIまあるドットコム』があるのだということを広く知らせていきたいです。
それと、しっかりした県外企業さんと手を組んで、県内から県外へ、あるいは県外から県内へという人の流れに対応した相互の交流を深めていきたいですね。
県外とのネットワークを広げ、それぞれのパイプを太くしていくことで、今まで沖縄の抱えてきた『仕事』についての問題を少しずつ解決していけたらと思っています。
この記事を書いている私自身が内地からの移住者であるために、今回の取材は、仕事を探していた当時の自分を思い出しながら崎山代表のお話を伺う形になりました。
沖縄の失業率は、全国の倍近い数字といわれる中(沖縄県7.6%【沖縄県統計課】 全国4.0%【総務省】 *共に平成19年9月の数字)、それでも技術や資格を必要とする分野の仕事は逆に人手不足。
このように矛盾した状況で特に『医療業界』と『建設業界』に対し力を尽くされている『UIまあるドットコム』。さらには、県外企業とのネットワーク強化を図り、沖縄の問題を全国的視野で解決していこうとする姿に明るい光を見ることができました。




UIまあるドットコム














