
ワンちゃんやネコちゃんのために活動を続けているその想いを語っていただきました。
▼ケルビムの活動内容を教えて下さい
不幸にも捨てられてしまったり、あるいは行政に捕獲されたりした動物達の保護を目的に、『施設の運営』と『里親探し』をすることが主な活動内容です。
ここの施設には現在、不幸な境遇のワンちゃんやネコちゃんが400頭くらいいます。しかし少ないスタッフと限られた施設の中では、動物達を飼育していくにも限界があります。
そこで『ワンニャン里親募集会』を開催し、飼えなくなってしまったり、たくさん産まれて困ったりしたワンちゃん・ネコちゃん達を含めて、新しい方にもらっていただく橋渡しを行なっています。
施設の運営に関しては、行政からの援助は一切ありませんので、全国の皆様の温かいご寄付だけでまかなっています。しかし、施設の中身もまだまだ充実しているとは言えないし、私達のような動物の世話係の人手も足りません。そこで里親会には、特に力を入れています。
それと、環境省や沖縄県が『ヤンバルクイナ保護』のための外来種対策として、野良猫の捕獲を行なっております。そこでケルビムでは、そのような状況下で生まれたかわいそうなネコちゃん達の命を救うため、捕獲された分の全頭引き取り保護をもう6年に渡って続けています。ここで保護したネコちゃん達も、里親会で里親希望者に譲渡したり、ケルビムで終生飼育をしたりしています。
▼このような活動を始めるきっかけは?
私は元々京都出身の人間で、東京に行って仕事をしていました。ある時、日常の疲れを癒そうと南の島である沖縄へ旅行に来てみたら、ワンちゃんが捕獲され連れて行かれる場面に遭遇してしまいました。
これは私にとって、とてもショッキングな出来事でした。このまま放っておいたらワンちゃんは殺されてしまうと思い、捕獲した車を思わず追いかけていってしまいました。
そして着いた所が『動物愛護管理センター』。
ここには悲しい目をした動物達がたくさんいましてね・・・。ここに連れて来られてしまった動物達は、その後の自分の運命に気付いているようで、その『絶望感』は私にイヤというほど伝わってきました。私にはこの悲しい現実がつらくてつらくて・・・。
こんな場所に、こんなに沢山のワンちゃんやネコちゃんが・・・。なぜなんだろう・・・?
これはほとんどが人間のせいだからだと思います。人間(飼い主)が責任を持ってしっかり管理してあげないから・・・。さらには人間の勝手な都合で捨てておきながら、人間社会の迷惑になると捕獲してしまうからです。そして最後は・・・。
話を戻すと、私は自分が疲れたから沖縄でゆっくりしよう思っていたのに、いざ来てみたら、さっきお話したような事情でゆっくりすることができませんでした。
そしてその流れで現在に至っているわけです。
前は宜野湾市で保護をしていましたが、現在の場所(本部町)へ移ってからもう6年が経ちました。そしてこっちへ移ったと同時にNPO法人を立ち上げました。
▼この活動に携わっていて良かったことを教えて下さい
里親が次々と決まっていって、幸せをつかんだ子たちがたくさん出てきた時には、本当に良かったと思いますね。
この活動を始めてから、里親が決まった子は4000頭を超えます。それでも最初のうちは、あまりたくさんは決まらず、苦労した部分もありました。しかし最近では、里親会以外にもインターネットで『里親募集ページ』をやるようになり、そうすると『ネット』と『里親会』の両方でよく決まるようになってきました。
現在では週20頭くらいのペースで決まっていますね。ただ子犬や子猫の場合なら、もらい手さんも比較的決まりやすいのですが、大人になってしまうとなかなかもらっていただけないので、どうしても施設に残ってしまうという傾向がありますが・・・。
▼好きな言葉はありますか?
『あきらめない』です。なぜかといえば、あきらめちゃったらそこで終わってしまうじゃないですか。だから夢を描いて決してあきらめずに、そしてその夢に向かって邁進し、そのための努力を続けていく。それが好きです。あきらめてしまうのは本当にイヤなので、ある方法でできないと感じたら、他にできる方法があるんじゃないかと思って、いろいろ模索をしてみたり、様々な方向から物事を考えたりすることが好きですね。
この施設も、建設前は周囲の人達はそろって「無理!」と言っていたのですが、造ろうと思って努力をしたら、最後はちゃんと完成させることができましたから。
▼最後にメッセージをお願いします
どなたかは分かりませんが、ペットを飼い続けることができなくなった時に、こちら側がすんなり引き取ってくれるものだと思って施設にポンと捨てていってしまう方や、里親会の会場に行ってみたら見知らぬワンちゃんが繋いであったとか、そういう事例がありました。このような行為は、『無責任』であると同時に『法律違反』でもあるのです。他にも、安易に「引き取って!」とか「預かって!」という内容の電話も多いですね。こういった状況は、私から見るとペットの幸せを軽視しているように思えてならないのです。
飼うと決めた以上、まずはご自分でしっかり責任を持ってほしいですね。それでも状況が苦しくなってきた場合は、相談にいらして下さい。私達も里親を見つけるなどの努力を最大限行っていきます。しかし相談の内容によっては、それでも少しは飼える余裕があったり、あるいはほんのちょっと工夫を加えることで、飼い続けることが可能になったりというケースもありました。
さらに、しつけや避妊・去勢手術に関しても適切なアドバイスを差し上げることができますから、あきらめないでお話して下さい。
本部町にあるケルビムアニマルガーデンへ行って参りました。中村代表の、思わず心が痛くなってしまうような動物保護事情を伺い、そして施設で暮らしている大勢のワンちゃん・ネコちゃんたちと対面してきて、自分は『命の重さ』について考えさせられてしまいました。
人間の命、ペットの命、野良犬・野良猫の命、ヤンバルクイナの命、そしてその他の生あるものの命。これらに『重い』『軽い』はあるのでしょうか? そして『命の重さ』を決める権利が人間にあるのでしょうか? 今回は、特に不幸なワンちゃんとネコちゃんに焦点を当てて取材をしてきました。が、その中だけで見ても、人間の振る舞いの『理不尽な部分』が目立ってしまって暗い気持ちになってしまいました。
しかし一方では、その流れに歯止めをかけようと、ケルビムスタッフの方々を中心に、里親としてワンちゃん・ネコちゃんを慈しんでいる方々もいるということが分かって少しだけホッとしました。 私の栃木の実家にも愛犬がいます。彼にとっての幸せとはいったい何なのか・・・。家族の一員として『愛し続けていくこと』なのかなと考えているうちに、ふと会いたくなってしまいました。



NPO法人動物たちを守る会 ケルビム














