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舞踊集団 花やから

舞踊集団 花やから
今回は『舞踊集団 花やから』の大城秀子主宰にお話を伺いました。
『花やから』にかける熱い想いを取材して参りました。

▼活動内容と『花やから』を始めたきっかけを聞かせて下さい

 

花やから正面画像

『花やから』は平成9年1月に、沖縄舞踊の明日を担う少女たちと共に、子供舞踊集団として結成しました。当初は、8歳から13歳までの6名でスタートしました。現在では、ステージに立つ子は13名います。

『花やから』の『やから』とは、沖縄の方言で『優れた者、卓越した者』という意味を持っています。それに少女たちの舞台での華やかさと、花の艶やかさや美しさのイメージを重ねて『花やから』と名付けました。

私がこの活動を始めたきっかけをお話しましょう。私は小さい頃から舞踊が好きでした。それで主婦になっても、趣味で琉球舞踊のお教室に通っていたのです。

お教室の中では、子供たちと大人たちとのお稽古の雰囲気に、かなりの違いがあることに気が付きました。具体的には、大人にはかなりの力を入れられていて、細かい部分にまで指導が及んでいました。それに対し、子供たちは教えてもらえる演目が少なく、しかも子供だからということで、ある程度の形だけが出来ていればそれで良い。そんな風にゆるやかで厳しくない指導だったのです。

これを見た私は、「どうしてなのだろう?」という疑問を長い間持ち続け、本当に不思議で仕方ありませんでした。子供たちの中には、素質や才能にあふれている子もいますから、大人がやるような難しい踊りをさせてみてもできてしまうのです。取り組む大人の側が甘い目で見ているから、いつまでたっても子供たちは伸びてこない・・・。子供たちに明るい可能性を感じた私は、少し厳しく指導していくことで難しい踊りにもチャレンジさせてみたい、という気持ちが次第に強くなっていきました。この『想い』が、花やから誕生の原点です。

 

▼この活動をされていて良かったことや大変なことを教えて下さい

 

良かったことと言えば、『花やから』を通して子供たちから『元気』や『生き甲斐』をもらえたことですね。

私事ではありますが、この世界へ入ってからしばらくして、主人が他界してしまいました。それまでの私は、精神的な部分やそれ以外のところでも、主人から本当にたくさんの助けや支えを与えてもらって生きてきました。ところがその主人を亡くし、心に大きな穴があいてしまい、この先どうやって生きていけば良いのか分からなくなっていた時に、花やからの『子供たちの存在』が私を支えてくれました。

ですから、子供たちは私にとって『生き甲斐』であり、『すべて』であると言っても過言ではありません。このことは、現在もそしてこれからも決して変わることはないでしょうね。これが今までで一番良かったと思えることです。

大変だったことは、再び私事になりますが少し前に息子も他界してしまいました。そしてその頃、ちょうど花やからの10周年記念行事と重なってしまったのです。演目の部分や他のことで、いつもとは異なる催しを行おうと思っていたのに、精神的にも時間的にも非常に厳しい状況へと追い込まれてしまいました。

 

大城秀子主宰

オリジナルの脚本も書かなくてはいけないのに、心が動揺していてなかなか集中できない。それでも時間だけは容赦なく迫ってくる・・・。こんな状況だったので、私は泣きながら脚本を書いていました。ステージの方も、本来なら私が客席の方へ下りていって、お客様の反応や雰囲気を自ら感じながら子供たちの舞踊の出来(表情やしぐさ等)をチェックするのですが、この時は頭の中が本当に空っぽになってしまいました。

このような状況の中で、10周年記念行事を行わなければいけないことが非常に残念でしかたありませんでした。それと同時に、息子がこのようなことになってしまいましたから、その時は何もかもが辛くて苦しくて・・・。もう、花やからもやめてしまおうかとまで思ったくらいです。今思い出しても、あの時が一番大変でした。

 

▼花やからの特徴を聞かせて下さい

 

踊る子どもたち

花やからの舞踊は、『伝統舞踊』というよりはむしろ『創作舞踊』なのです。私達は、私達の踊りを広く皆様にご覧になっていただくために、日本全国はもちろんのこと、さらには海外の方へも出かけて行って上演させていただいております。ですから上演する場所・地域に応じて、ご当地の言葉や方言等を取り入れたり、地元の方々が親しみやすい内容の寸劇を考えたり、そして皆さんが喜んでいただけるような工夫を加えながら演じるように、いつも心がけています。

それと舞台においては、照明以上に音響の方へ力を入れている点も特徴だと言えます。ご覧になっている方々に想いを伝えようとする時、言葉や音楽は、より心の中へ響いていきやすいと考えているからです。

 

踊る子どもたち2

もう一つ付け加えておくと、観に来てくださる方は、体調や体力に自信がなく遠出のできないお年寄りもいらっしゃいます。そのような方々のために、私達は公演地を主要な場所だけに限定することなく、どこへでも出向いていくようにしています。そうすることで、沖縄の子供たちが元気かつ情熱的に、そして一生懸命取り組んでいる姿を多くの方々にご覧に入れたいと思っています。

 

▼これからの抱負と、何かメッセージをお願いします

 

抱負と言えるかどうか分かりませんが、私の人生の『すべて』である子供たちと、『輝く瞬間』をいつも一緒にいたいですね。それはステージの上でもそうですし、普段の生活でもそうです。子供たちは、それぞれのお友達といるよりも、あるいはご両親たちといるよりも、私と一緒に過ごす時間の方が長いのです。だから、その大切な時間をいつも一緒に輝いていたい。
そして彼女達がここを巣立つ日が来ても、踊りだけではなく一人前の女性として人間として立派に生きていけるように、さらには大人になっても輝いていられる存在になっていけるように育てていきたいですね。

 

花やから集合画像

メッセージとしては、二つお知らせがあります。

一つは今月9月20日に通算2回目となる花やからの「オーディション」を行います。女の子は引き続き募集をしていますが、今回は男の子にもぜひ来ていただきたいと思っております。
少し前までこのような世界というのは、女の子のためのものだという考え方が一般的でしたが、最近では男の子も、小さい頃から太鼓や三線に親しむ機会が増えてきているようです。ですからきっと『新しい花やから』を創っていけるのではないでしょうか。ぜひ、楽しみにしていて下さい。

それともう一つは、10月4日に花やからの「秋公演」を行います。場所は沖縄県立郷土劇場。開演時間は14時からと19時からの2回となっております。子供たちの輝いている姿を、ぜひご覧になって下さい。

「オーディション」も「秋公演」も、詳しくは「むすびトピックス」の方で告知させていただいておりますので、宜しくお願い致します。皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。

 

【取材後記】

大城秀子主宰へのインタビューを終えた後、我々取材スタッフは建物の一階にあるお稽古場の方へ案内していただきました。

ここにはすでに小・中学生の女の子たちが集まっており、お稽古の開始を今か今かと待っております。本来であれば、お稽古風景は一般には公開していないそうですが、今回は特別に見学させていただきました。礼儀正しい彼女たちから元気よく挨拶され、お稽古はいよいよ始まります。

見せていただいた内容は、女の子全員からなる『舞踊』と、小学生と中学生の二人による『寸劇』。さすがはプロとしてたくさん公演しているだけあり、すばらしい完成度だと感心してしまいました。身体全体を使った大きな動きから、細かいしぐさの一つ一つ。さらには目の演技に至るまで、とても子供とは思えない迫力がこちらにまで伝わってきました。

私はお稽古の様子を見学させていただき、大城主宰の熱い想いは、確実に子供たちへ受け継がれているのだと感じました。これからも日本各地や世界へ向けて、その『情熱』を広めていってほしいと思うのでした。

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